0109

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
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年末は意外と落ち着かない毎日で、気がつけば年を越していた。
実家はインターネットが繋がっていないし、携帯の電波も機種によってはほとんど届かない所にある。
普段当たり前のように繋がっている目に見えない電波から切り離された場所は、
自分が知っている世界から隔離されたような感覚を与えてくる。
帰省してからはお墓と実家に昔から祀られている神様の社などを掃除。
掃除をしながら不思議と自然に心の中で見えない人々に声をかけ、勝手な近況報告をしている自分がいる。
なんとなく、聞いてくれているんじゃないかという気がしてくる。
日中は遠くを走る車の音と近くを流れる川の流れる音が聞こえる程度だけど、
夜になると車の数が日中より更に少なくなるので、川の音がかなり際立って聞こえてくる。
冷え込む夜の庭に、月明かりで落とされた影がじんわりと網膜に浮かび上がる。
夜空に、オリオン座と北斗七星が瞬いている。
朝になれば、向かいの山々から神々しい朝の光。
庭に植えられた名前も知らない小さな木が、朝日を受けて輝いている。
このわずかな朝の景色が、私には他のどの景色よりも特別に思えてならない。