Your Body is Yours
鼻風邪を引いたらしい。
一昨日くらい(よりももっと前かも)から、喉の調子がおかしくなって、声がハスキーになってきた。
熱もないし問題ないだろうと思って、そのまま夜行バス2泊3日でティルマンス展を観に行こうin大阪を
一人決行したら東京に戻ってきてから本格的に体調不良に。
今日は朝目覚めた瞬間から頭をひたすら殴られているような激しい頭痛。
なんとかしてご飯を食べ、薬を飲んでぐうたらと寝ていたら回復してきた。。
体調不良はとにかく寝るのが一番らしい。
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ティルマンスの「Your Body is Yours」。初めてティルマンスの作品を生で見ることができた。
インクジェット紙からレーザーコピー(だったかな)や、発色現像方式印画という手法を用いたものなど様々だった。
ティルマンスは、作品だけでなく展示の仕方でも有名と聞いていたので、それを直接見ることができたのはとても貴重だったと思う。
写真をインスタレーションとして展示していて、壁だけでなくテーブルに並べたり、映像もあった。
あとは、新聞の切り抜きのようなものやネットの掲示板の一部をプリントアウトしたものも。
その他に、彼のこれまで出版した写真集やポスターなども展示されていて、写真集は自由に閲覧できるようになっていた。
夜行バスであまり眠れなかったので、睡魔と疲労と戦いながら3時間くらいウロウロしていた。
今ふと気がついたことは、ティルマンスの作品を深く知ろうとするには、
世の中の政治や時事にもしっかり触れていないと共感というところまでいけないのかなということ。
彼の作品制作に対する思いが、自分の中で完結させるのではなく世の中、世界に向いていることが大きい。
だから、見る側もある程度そういった社会の出来事を把握しておいたほうが、
ただの写真作品展だけで終わらないんだろうと思う。
私はニュースを毎日見ていても、それをティルマンスのように作品に落とし込む(自分の意見を作品に反映させる?)ことは、なかなか出来ないなあと思った。
私は彼を始め、まだまだ名だたる写真家への知識が浅はかだし、社会や政治についても切り離して考えているんだと思う。
インスタレーションで展開された空間と、作品そのものが私からするととても実験的に感じられて面白かった。
写真を折り曲げたりした作品は、意図的なのか偶然なのか気になった(意図的なら何回も折り曲げてピンときたものを作品にしたんだろうか?)。
「意図的な偶然」の作品もあると、写真集の中のインタビュー記事で彼がそう答えている作品も、
会場に展示されていた。
全体的には、ティルマンスという人の頭の中を漂っているような展覧会だった。
インスタレーションの展示空間がよりそう感じさせたのかなと思う。
一般的な展示空間なら、展示のスタートからフィニッシュまでの流れがなんとなくあるように感じるけど、
ティルマンスの展示にはそれはないように思えた。
「どんな感覚でサイズや作品の展示レイアウトのバランスを決めたんだろう」とか
「日本語のネット掲示板や新聞を切り取って展示した作品は、言葉の意味を全て理解してこのバランスで展示しているのかな」とか
いろんな疑問や考えが浮かんでは消えていった。
タイトルと展示内容も、自分の中でどういう繋がりがあるのかとか全く考えられなかった。
(今はそれでもいいと不思議と思うことができた)
他にもいろいろと思うことはあったけど、私は共感とか深く掘り下げるとか、そういうことはできなかったと思う。
兎にも角にも、彼の展示を見に行けたことは本当によかったと思う。
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気がつけば7月もおしまい。
明日には写真を撮りに行けるように、体調を整えておかないと。。