ライブ

June 10, 2015

この前、人生で初めてライブを見に行った。

厳密に言えば初めてではないが、プロのバンドのライブは生まれて初めてだった。

 

初めてのことは何事も緊張するもので、別に自分が人前で何かするわけでもないのに

漠然とした不安と緊張を抱えつつ会場に向かった。

ライブハウスと呼ぶよりも大きな規模(でもホールでもない)の箱型の会場は、

やんわりとスモークが漂っていて幻想的な雰囲気をどこかで感じさせた。

1曲目が始まるまで妙に落ち着くことができず、落ち着いたフリだけしていた気がする。

 

バンドメンバーが登場して最初の曲がスタートした瞬間から暫くは、

映画を見ているような感覚に陥っていた。

バンドのライブはよくTVで見ることがあったから、そのせいだと思う。

しかし、やはり液晶で見るものとは違って、生のライブは彼らの世界を体感するようなものだった。

 

学生かスタジオマンだった頃、周りが「ライブに行かないのは人生を損している」

みたいなことを言っていたのをぼんやり思い出した。

 

歌声と音と光と空気と会場の一体感。

観客を踊り狂わせる力、魔力、みたいなものは、本当にただ「すごい」としか言いようがなかった。

あと、箱型の会場は曲が終わったあとの拍手や音楽の余韻が心地よく聞こえる。

観客の拍手が激しい雨音に聞こえ、その雨が止んだあと薄明かりから聞こえてくる漣にも似た音は、

自分が夜の浜辺にいるような錯覚をさせてくれる。

音楽が鳴り止んだ直後のくぐもった残響がそう感じさせるのだと思う。

 

音楽を体感するという経験は、実感として今までなかったのかもしれない。

まだ体の中にあの時の興奮のような、何かが残っている。

そのせいか、今までそのバンドのことは何一つ知らなかったのに、

もっと他の楽曲も聴いてみたいと純粋に興味を持つようになった。

 

音を紡いで一つの作品を作り上げるというのは、どんなものなのだろう。

写真集を編み上げることと、似たようなものなのだろうか。

初めてライブを体感した日から、そんなことばかり考えている。

 

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